心のふるさと

幸せな人生はつまらない

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けんすけです。

 

あなたの生きる目的は何ですかと聞かれ、何と答えますか?

 

「金持ちになること」
「出世すること」
「よい伴侶に恵まれること」

 

人それぞれの答えがあると思いますが、それらを一言でまとめると「幸せになること」に集約されるのではないでしょうか。

 

お金を得て、裕福な暮らしをする ⇨ 幸せになる(だろう)

出世をして権力をもつ ⇨ 幸せになる(だろう)
よい伴侶と暮らす ⇨ 幸せになる(だろう)

 

お金や権力や伴侶が目的ではなく、それらは全て「自分が幸せになる」手段にすぎないわけです。

手段は目的ではありません。目的は人それぞれの「幸せ」の追求ですね。

では、目指す手段を達成すれば幸せになれるのか、というと、人生、そううまくはいかないようです。

 

 

お金、権力、伴侶を得て、一時的に幸福感は得られるでしょうが、永続はしません。

お金を得れば、さらに増やそうという欲望や失うことへの恐れに苛まれます。

大きい権力には当然ながら大きな責任が伴い、日々のプレッシャーは倍増するでしょう。

いかに理想的な伴侶でも、別人格である以上、全ての行動が理想的ということはあり得ません。やがて衝突、我慢、妥協が発生します。

 

つまり、苦労して幸せを得る「手段」を達成しても、また別の壁が立ち塞がり、幸せを遠ざけてしまうわけです。

「それじゃあ、永遠に幸せには到達しないではないか」という声が聞こえてきそうですが、それについては「その通りです」と答えるしかありません。

 

幸せを求める努力は尊いものだし、人生を動かす原動力です。

大事なのは「幸せを求め努力する」ことであって、「幸福」という状態の維持ではありません。

幸せを求める努力には、様々な困難や苦痛が伴いますが、その困難が心の糧となって成長を促し、人生を切り開きます。

人生の目的は「幸せの追求」だと書きましたが、実はそれに伴う「成長」こそが真の目的なのです。

 

 

私は若い頃、懸命に会計の勉強をしていた時期がありました。

家族を養うために、安定した職につきたいと公認会計士を目指していたのです。

当時、私の職は不安定で、いつ減給や馘になってもおかしくありませんでした。

私は「妻や子供たちの安定した暮らし=幸せ」 を求め努力したわけです。

仕事の合間をみて、数年間勉強に励み、何度か試験に挑んだのですが、結局合格には至らず、断念を余儀無くされました。

私が幸せを求め、目指した「手段」への道は閉ざされました。

しかし、と、同時に別の「手段」が現れ、ここ数年の努力は無駄にはならずに済んだのです。

積み上げた知識を活かし、会計専門のSEとして安定した職を得ることができました。

当初設定した手段は叶いませんでしたが、安定した職=幸せ という目的は達成できました。

 

 

幸せを求めてする努力は、必ず何かの形で報われます。逆に幸せを諦め、努力を怠れば、人生の幅を大きく狭めてしまいます。

では私の幸せは永続したかというと、そんなはずはなく、慣れぬSE仕事で無理しすぎて入院騒ぎを起こしたり、10年後には離婚という結末を迎えました。

詳細はここでは語りませんが、その時々で壁にぶつかり、壁の先に幸せがあると信じて、しゃにむに突き進んできました。

そのひとつひとつの経験が、私の人生の彩りであり、構成要素です。

 

では還暦を過ぎた今、お前は幸せなのか? と聞かれても、残念ながらYesとは答えられません。

しかし、幸せに至る「手段」について熟考し、「手段の達成に向けがんばっている」とは自信を持って言えます。

 

 

幸せな人生はつまらない。

幸せを求め、工夫し、努力している時間が、人生でもっとも「おもしろい」瞬間です。

そういう時間を積み重ね、「おもしろい人生」を堂々と歩んでいきたいものです。

 

 

 

 

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IZUMI HASHIMOTO
IZUMI HASHIMOTO

学生時代に友人に誘われ演劇を始め、大学卒業後、就職せずに芝居の道に入る。旅公演で全国を巡るなどしていたが、30代半で塾講師に転身。さらに40歳で全く未経験のIT業界に就職。会計専門のSEになる。60歳で定年を迎えたの機に、新しくビジネスを始めると共に、魂や心にまつわる発信をライフワークにするべく研究・研鑽を重ねている。

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