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「嫌われる勇気」の間違った解釈~アドラーは常識の破壊者なのか?~

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けんすけ@生涯現役
「60にして立つ」
30年遅れで不惑を目指す

 

最近読んだ本の中で、一番印象に残ったのは、
「嫌われる勇気」だ。
この本は、今までの常識や人生観をひっくり返すだけの、強烈なインパクトがある。

 

まさに、メガトン爆弾のような、ある意味危険な本でもある。

 

「嫌われる勇気」というタイトルから、
「嫌われてもいい、我が道を行け」
と独善を推奨しているように解釈されることもあるが、
もちろんそれは間違っている。

 

「嫌われる勇気」とは「人の評価を気にしない勇気」のことであり
決して自分勝手な行動を意味してはいない。

200ページ強の中に縦横に組み込まれた強烈なメッセージの中から、
アドラーを正しく解釈しつつ、その一部を紹介していこう。

原因と目的

「嫌われる勇気」は、ご存じアドラー心理学の解説書で、
大ベストセラーとなった自己啓発本だ。

劣等感を抱えた青年と哲学者の対話という形式で書かれており、
青年が読者が感じるであろう疑問を代弁する。

読者は読み進む内に、徐々に哲学者に説得され、
最後には、青年と同様、新しい人生観に到達するという構成になっている。

 

まず、アドラー心理学の特異な着眼点として、

人間の行動の分析する手法を「原因」から「目的」へ転換したこと

がある。

 

例えば、レストランでウエイターがあなたの上着にコーヒーをこぼしたとする。

あなたは怒りにまかせて、ウエイターを怒鳴りつけたとしよう。

 

この行動を分析する際に、

〇上着が汚れたという原因があって、怒鳴ったと考えるのが原因論。

〇大声を出してウエイターを屈服させる目的で、怒りという感情を捏造したとするのが目的論。

となる。

アドラー心理学は、この目的論で、トラウマという現象も含め、過去が現在を作るという考えを丸ごと否定した。

 

もし過去が現在を作るのであれば、過去が変わらない以上、現在を変えることは不可能となる。

 

アドラー心理学では「人生はこの瞬間からでも変わる」ことを訴えているが、その根拠は目的論にある。

両者の根本的な違いは、
原因論が人生を過去から未来へ続く「線」で捉えているのに対し、
目的論は過去や未来から切り離された「今」としている点だ。

 

人間は「今」自分にとって必要な目的を果たすために「行動」している、これがアドラーの基本的な考え方と言える。

 

承認欲求の否定

アドラーは承認欲求を真っ向から否定する。

 

承認欲求とは、誰かに「褒められたい」「認められたい」という欲求のこと。

多くの人にとって、日常的でごく自然な欲求だ。

 

「褒められたい」と思ってはならないし、

「褒めること」自体も否定される。

 

親はお手伝いをしてくれた子供に、

「お手伝いして偉いね」

と褒めてはならない。

 

これがアドラーの立脚点であり、
「嫌われる勇気」というタイトルの所以となっている。

 

アドラーが「褒める」ことを否定するのは、
それが「上下関係」を生み出すからだ。

 

親子という上下関係、

上司と部下という上下関係、

友人同士でも上下関係は発生する。

 

しかしながら、

「全ての人間は同じ平面上にいる」

と考えれば、褒めるという行為は発生しない。

 

とは言え、
「褒められたい」という気持ちは、
幼い頃から刷り込まれた概念であり、
これを否定するのは中々難しい。

誰もが人との比較の中で生きており、
劣等感や優越感を抱いている。

その劣等感が全ての悩みの源泉になる。

 

だからアドラーは、

全ての悩みは人間関係によって生じる

と断言している。

 

自分のことを相手がどう思うか?

それは相手のタスクであり、自分のタスクではない。

相手のタスクと自分のタスクを、完全に区別することが重要だ。

 

相手のタスクに踏み込み、相手に褒められることばかりを考えていると、

相手の人生を生きることになる。

自分のタスクを意識し、実践していれば、自分の人生を生きることができる。

幸せの本質

人はみな共同体に属している。

共同体は何も、学校とか会社とか、狭い範囲に限定されるものではない。

もっと広く、社会全体・国・自然も含めた地球全体も、ひとつの共同体である。

 

もし、狭い共同体で行き詰ったら、
視野を広げ、より大きな共同体を意識するといい。

 

誰かに褒められたいと考えるのは、
自分がよければいい、という自己中心的な発想だ。

 

人は、共同体に属しながら、

自分と他者のタスクを区別し、

他者の評価を得るためではなく、

純水に他者のために力を尽くすべきだ。

 

「他者貢献」をして、自分が誰かの役に立ったと実感できると、
共同体感覚が生まれ、それが幸せを呼ぶ。

 

すなわち、幸福とは「貢献感」である、これがアドラー心理学の幸福の定義だ。

 

特別な存在であろうとすれば、それは承認欲求にっながる。

普通である自分を認める勇気を持ち、今この瞬間を大事にする。

 

人生は過去から未来につながる一本の線だと捉えがちだが、そうではなく、今この瞬間という点の連続である

 

この瞬間に集中していれば、過去も未来も見えなくなる。

瞬間を大事にしていないから、ぼんやりと見える過去や未来に心乱されるのだ。

 

過去も未来もない以上、計画的な人生など、そもそも不可能となる。

 

「いま、ここ」を真剣に丁寧に生きることこそが人生であり、人生は瞬間瞬間、常に完結している。

 

まとめ

最後の1文が、この本でもっとも言いたかったことなのだろう。

「嫌われる勇気」=「身勝手な行動」

でないことは明らかだ。

「他者貢献」=「幸福」

と定義しているところを見逃してはならない。

 

褒められたいとか、小さいことを気にするな。

自分ではなく共同体の他者のことを考え、
他者のために何ができるかを考え、
瞬間瞬間を大事に生きろ!

 

一言で言うとこういうことだが、
この本には、この記事では語り切れなかった濃い内容が、
これでもか、というくらい書かれている。

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この記事を書いた人

IZUMI HASHIMOTO
IZUMI HASHIMOTO

学生時代に友人に誘われ演劇を始め、大学卒業後、就職せずに芝居の道に入る。旅公演で全国を巡るなどしていたが、30代半で塾講師に転身。さらに40歳で全く未経験のIT業界に就職。会計専門のSEになる。60歳で定年を迎えたの機に、新しくビジネスを始めると共に、魂や心にまつわる発信をライフワークにするべく研究・研鑽を重ねている。

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